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起業の失敗率はどのくらいになるのか?
起業における失敗の定義
まず、そもそもの話になりますが
起業における「失敗」とは何を指すのでしょうか?
コレといって明確な定義はありませんが
多くの方がイメージされるのは
「起業失敗 = 廃業」になるかと思います。
そのため、起業における失敗率とは
新しく起業した方が事業を継続できずに
廃業してしまう確率を
失敗率として表すことができるでしょう。
その場合、起業の失敗率を確認するのに
うってつけのものがあるんですよ
「起業の生存率」というものが…
「起業の生存率」がどういったものかと言うと
新しく誕生した企業が年数の経過とともに
どのくらいの確率で生存しているかを表すものであり
逆を言えば「起業の生存率」によって
どのくらい廃業するかも分かるのです。
正に、先ほどの定義から言って
起業の失敗率を確認するのに
最適なものと言えるでしょう。
そして、そんな「起業の生存率」ですが
現状、2種類のものが存在しています。
なので、次はその2種類について
見ていきたいと思います。
2種類の起業生存率データ
先ほどお伝えした2種類ですが
いずれも中小企業庁が発表しているグラフとなり
まず1つ目は下記のグラフ。
引用元:中小企業庁の事業の存続・倒産と再生
1年経過後の上に書いてある
「平均62.3」という数字は
1年後には62.3%の起業家が
生存していることを表しており、
2年経過後の上にある「平均75.9」は
1年後に残っていた起業家のうち
2年後には75.9%が生存していることを表しています。
では、このグラフをもとにして
5年後、10年後にも廃業せずに
生存している確率を求めてみると
下記のようになりました。
5年後 :25.57%
10年後:11.64%
※ 小数点第3位以下は切り捨て
そのため、このグラフをもとにすると
起業失敗率は下記の通りとなります。
5年後 :74.43%
10年後:88.36%
そして、中小企業庁が発表している
もう1つのグラフが下記です。
引用元:中小企業のライフサイクル
このグラフは各国の起業後の生存率を表すもので
年数の上にある数字がそのまま生存率となります。
例えば、3年の上にある
日本の「88.1」という数字は
3年経過後の生存率が
88.1%であることを表しています。
そのため、このグラフだと5年後、10年後の生存率は
下記のようになりました。
5年後 :81.7%
10年後:69.2%
※ 10年後はグラフの下げ幅から予想した予測値
そして、このグラフをもとに起業失敗率を計算すると
下記の通りになります。
5年後 :18.3%
10年後:30.8%
先ほどのグラフとは大分差が出ましたね
では、どちらのグラフの方が
より正確な起業生存率なのでしょうか?
個人的な意見としては前者の
88.36%という失敗率の方が正確だと感じます。
というのも、上記2つのグラフは
もとにしているデータに差があり
前者の方がより全体を
見据えている可能性が高いからです。
起業失敗率88.36%の方が正確
まず、中小企業庁が発表している
上記2つの起業生存率に関するグラフですが
いずれのグラフも中小企業庁が自ら
企業の実態を調査したわけではありません。
中小企業庁とは別の機関が出したデータをもとに
起業生存率を計算したものになっているんです。
そして、上記2つのグラフは
同じ機関が出したデータをもとに作られたのではなく
それぞれ、別の機関が出したデータをもとにして
作られているんですよ
まずは、最初にお見せした下記のグラフは
「経済産業省」のデータをもとにして
作られており、
引用元:中小企業庁の事業の存続・倒産と再生
次にお見せした下記のグラフは
「帝国データバンク」のデータをもとにして
作られたグラフとなります。
引用元:中小企業のライフサイクル
経済産業省は国の機関ですので
ある程度はお分かりになるかと思いますが
帝国データバンクに関しては
もしかしたら初耳かもしれませんね
なので、簡単に帝国データバンクについて説明すると
企業を専門に色んな調査を行う
いわゆる調査会社という感じです。
つまり、帝国データバンクは一企業であり
国の機関ではないんですね
だからこそ、経済産業省のデータをもとにした
88.36%という起業失敗率の方が
より正確だとお伝えしたのです。
実際、国税庁が運営している
企業が検索できるページと
帝国データバンクの検索ページとでは
下記のように同じ検索ワードでも
帝国データバンクの方が
検索ヒット数が少なくなっています。
・国税庁での検索結果(212件)
・帝国データバンクでの検索結果(78件)
また、帝国データバンクに登録されている企業は
個人が営んでいるような小さな企業はあまり登録されず
それなりにデカい企業であることが多い感じでした。
そのため、帝国データバンクを使ったグラフは
大きめの企業ばかりが対象となったので
起業失敗率は低くなったのでしょうね
逆に、大小様々な企業を対象にしているであろう
経済産業省のデータをもとにしたグラフは
帝国データバンクを使ったグラフと比べ
起業失敗率が高くなったのだと思います。
当然、小さな起業をされる方も
世の中には沢山いらっしゃいますので
それを考えた場合、帝国データバンクではなく
経済産業省のデータをもとにしたグラフの方が
より正確だと言えます。
実際、起業された方を色々と見てきましたが
ほとんどの方は失敗に終わってましたので…
まぁ、経済産業省のデータに関しても
従業員が4人以上いる起業家のデータになっているので
「絶対的に88.36%が正しい起業失敗率」
とは言えませんが
だとしても、起業の失敗率がかなり高いのは
間違いないでしょうから
簡単に成功できるとは思わない方が賢明です。
さて、
日本での起業失敗率がかなり高いことは
ここまでの解説で十分に
お分かりになられたかと思います。
ちなみに、そんな失敗率を知ってか知らずか
日本の起業率は世界と比べて低い傾向となってます。
起業する確率はどのくらいか?
終身雇用の終わりや副業解禁などで
昔よりかは起業される人は増えてきましたが
それでも、自身の周りに
起業家さんの知り合いがいらっしゃる方は
ごく少数だと思います。
では、具体的にどのくらい人たちが
起業をされているのでしょうか?
それは、中小企業庁が発表している
下記のグラフをご覧になれば分かります。
引用元:開廃業の状況
このグラフは開廃業率のグラフなんですが
直近10年ぐらいは開業率が緩やかに上がってきており
2017年には開業率が5.6%になっているのが
お分かりになるかと思います。
つまり、このグラフから判断できるように
日本における起業する確率というのは
大体、5%程度の方が起業をされるとなっているんですね
ただ、上記のグラフは雇用保険から
開廃業率を計算しているため
雇用保険が必要でない個人事業主の方は
ここには含まれていませんので
そういった個人事業主も含めると
もうちょっと確率は高くなると思います。
ちなみに、主要な先進国と開業率を比べると
下記のように日本の開業率は
かなり低い水準となっています。
引用元:開廃業の状況
また、世界銀行が発表している
起業のしやすやランキングにおいても
日本のランキングは39位と低いです。
引用元:THE WORLD BANK
ついでに言うと、同じアジアの国々である
韓国と香港のランキングは下記の通りです。
引用元:THE WORLD BANK
はい、日本よりも遥か上に位置しています(汗)
では、どうして日本という国では
起業がしずらいのでしょうか?
日本で起業がしずらい理由
起業がしずらい理由に関してですが
まずは、下記の画像をご覧ください。
引用元:THE WORLD BANK
「Getting Credit」と「Paying Taxes」の項目が
日本は85位と97位とかなり低い水準になっているのが
お分かりになるかと思います。
では、「Getting Credit」と「Paying Taxes」が
何を表しているかと言うと「資金調達」と「納税」です。
要するに、日本で起業しようとすると
起業するための資金調達が難しく、
そして、起業したあかつきには
多額の税金を支払うことになるのです。
これが日本の起業におけるネックなんですよ
例えば、フランスであれば
起業して売上が出なかった場合
所得税や社会保障費が全額免除となったり
地方税の免除などの優遇措置なんかもあります。
他にも、アメリカであれば
エンジェル投資家などによる
ベンチャー起業家への投資が盛んなので
日本よりも資金調達がしやすいです。
もちろん、日本でも起業を支援する制度はありますが
上記のフランスやアメリカなどと比べると
かなり見劣りするように感じてしまいますね
以上のように、日本における起業環境は
他の先進国と比べるとあまり良くなく
起業がしずらい国となっているのです。
まとめ
ここまで、世界の国々と比べた
日本の起業環境についてと
起業の失敗率に関して解説をしてきました。
正直、起業のマイナス面ばかりが
目立ってしまったかもしれませんね
でも、これからの人生において
自由な時間やお金を沢山手にしたいなら
会社に雇われているだけでは無理なので
何かしらで起業されるしかありません。
ただし、借金をしてまで起業するのは
辞めた方がいいです。
最悪の場合、悲惨な末路を迎えるので…
⇒起業に失敗!?その後の悲惨な末路について
なので、できるだけ資金がいらない
ネット起業などを選んでください。
⇒田舎で0円で起業しても儲かるのはネット起業だけ
資金がかからなければ
たとえ起業して失敗したとしても
浅い傷で済みますからね
それでは、失礼いたします。