あなたの肌は雪のように白い

比喩とはこの文のように
何かに例える表現技法です。

どんな例えをするかで
直喩・隠喩・擬人法など
比喩の種類は変わってきますが
この記事でお伝えするのは
全ての比喩に共通した効果・使い方です。

「比喩にはどんな効果があるのか?」
「どんな場面で比喩を使うべきなのか?」

こんな内容を解説します。

この記事をご覧になれば
比喩の効果をちゃんと理解でき、
使いどころも分かるようになるので
比喩を使った良い文章を書かれたいなら
ぜひ、ご覧になってくださいね

比喩効果

比喩が持つ5つの効果と使い方

早速、比喩の効果を明かしてしまうと
下記5つが比喩の効果となります。

分かりやすい
イメージしやすい
オリジナリティが出る
強く印象に残る
別のイメージを与えられる

分かりやすくする効果がある

まず、1つ目の比喩の効果は
「分かりやすくできる」です。

分かりやすい

例えば、「5G」などの専門用語って
誰かに説明するのが難しいですが
「5Gはドラえもん」と比喩を使えば
簡単に説明する事ができますよね?

小難しい内容を説明しなくても
「何でもできる」というのが
「ドラえもん」という比喩によって
パッと理解できますからね

このように比喩であれば
何か難しい内容であっても
分かりやすくできるのです。

ですので、説明するのが難しいものや
説明すると長くなってしまう時に
比喩を使って分かりやすく説明するのが
1つの効果的な使い方となります。

イメージしやすい効果がある

他にも「イメージしやすい」のも
比喩が持つ1つの効果です。

連想

仮に、下の例文を書いたとします。

東京タワーの夜景はキレイだった

上記だとキレイなのは分かりますが
どのようにキレイだったのか?
どのくらいキレイだったのか?

こういった事は分かりませんよね?

でも、比喩を使って
「宝石を散りばめたような夜景」とすれば
キラキラしてキレイだと分かりますし
「100万ドルの夜景」とすれば
凄い価値があるぐらいキレイだと分かります。

これらの例文のように
ただ「キレイ」と書くだけでなく
比喩を使って書く事によって
より鮮明に伝える事ができるんですね

そのため、イメージしやすくしたい時も
比喩を使うべき場面となります。

オリジナリティが出る効果がある

また、オリジナリティを出しやすいのも
比喩が持つ効果の1つになります。

オリジナル

どうして比喩を使うと
オリジナリティが出るかと言うと
表現の幅が格段に増えるからです。

仮に、「キレイ」さを伝えようとして、
「キレイ」という言葉を使っても
オリジナリティは出ませんよね?

「キレイ」なんて言葉は
ありふれた言葉ですからね

ちょっとひねって
「キレイ」じゃなくて類語である
「美しい」「麗しい」「素敵」
などを使っても大した違いはありません。

いくら類語を使おうとも
結局「キレイ」を意味する言葉には
多種多様な種類があるわけではないので
どうしても誰かしらが同じ言葉を
どこかで使っているものです。

当然、誰かが使ってしまった言葉では
オリジナリティがあるとは言えません。

でも、比喩を使えばオリジナリティを
格段に出しやすくなるんですよ

というのも、キレイなものって
世の中にいーーっぱいありますし
そういったキレイなもので比喩をすれば
それこそ、キレイを表現する書き方は
星の数にもなりますので。

要するに、

「キレイ」を意味する言葉は有限ですが
比喩に使える例えは無限なのです。

無限

無限だからこそ比喩を使うと
オリジナリティが出る!

実際、レポーターとして有名な彦麻呂氏も
「海の宝石箱やぁ」という比喩で
オリジナリティを確立して、
有名レポーターの仲間入りをしていますから。

そのため、オリジナリティを
出したい時に比喩を使うのも
効果的な使い方になります。

ちなみに、オリジナリティの出し方は
下の記事で詳しく解説していますので
よろしければご覧になってみてくださいね

そして、ここまでお話した
「分かりやすくできる」
「イメージしやすくできる」
「オリジナリティが出せる」
この3つの比喩の効果によって
別の効果が出てくるんです。

強く印象に残りやすい効果がある

3つの比喩の効果で何が出るかと言うと
「強く印象に残りやすい」です。

強く

まず、そもそもの話になりますが
何かが印象に残るというのは
分かりやすさとイメージのしやすさが
絶対に欠かす事ができません。

極端な話ではありますが
キレイである事を印象づけるのに
ブドゥフ語やモゴール語などの
誰も知らない外国語を使ってしまうと
何を言おうが印象に残りませんよね?

「あなたはバラのようだ」を
ブドゥフ語やモゴール語で言っても
「えっ、何言ってるか分からない?」と
なってしまいますからね

また、分かりやすいだけでは
人の印象には残りません。

先ほどの例のように
単にキレイと言うだけでは
どのようにキレイかがイメージできず、
人の印象に残りませんので
イメージのしやすさも大事です。

それらに加えオリジナリティもいります。

いくら分かりやすくて
イメージもしやすい言葉であっても
多くの人が頻繫に使ってる言葉では
マンネリ感が出てしまって
印象には残りませんからね

そのため、分かりやすくできて、
イメージもしやすくできて、
オリジナリティも出せる比喩は
人の印象に強く残すのに
とても有効な表現技法になるのです。

なので、決め台詞などのように
印象に残したい部分で比喩を使うのは
効果的な使い方となりますね

そして、最後に解説する比喩の効果が
個人的に一番の効果だと思ってます。

別のイメージを与える効果がある

最後に解説する比喩の効果、
それは…

「別のイメージを与えられる」です。

別の

例えば、世界的な有名人である
スティーブ・ジョブズ氏が
当時ペプシコーラの社長であった
スカリー氏に言い放ったこの言葉。

このまま一生砂糖水を売り続けたいのか、
それとも私と一緒に世界を変えたいのか。

ここで言っている「砂糖水」は
当然ペプシコーラの事を指しており
甘さがあるペプシコーラを
同じく甘さがある砂糖水で例えています。

なので、この砂糖水という比喩は
「甘さ」を表現するものですが
ここでの砂糖水は「甘さだけ」を
表現してるわけではないですよね?

「くだらない」とも捉えられますよね?

要するに「甘さ」をイメージさせる
砂糖水という比喩を使う事によって
「くだらない」すらもイメージさせてるのです。

このように比喩を使えば
比喩で例えたイメージだけでなく
別のイメージも伝えられるのです。

しかも、もの凄く「手軽」に。

現に、ジョブズ氏はペプシコーラの事を
一言も「くだらない」と言ってませんが
ジョブズ氏の発言を聞けば誰でも
「くだらない」と思ってしまいますよね?

普通、単にペプシコーラの事を
「ペプシコーラなんてくだらない」
って言っても、
それだけで納得される人は少ないので
その根拠を伝える必要があります。

でも、ジョブズ氏の比喩から分かるように
「くだらない」という根拠を
何一つとして伝えてないにも関わらず
相手に「くだらない」と思わせられるのです。

つまり、比喩で使った例えに
例えられた側が引っ張られるんです。

引っ張る

例えば、下記のような比喩を使うと
なんか黒真珠って汚いように感じますよね?

黒真珠の黒さはゴキブリのようだ

上記で使った比喩は
あくまで黒真珠の「黒さ」を
表現するだけのものですが
「ゴキブリ」で表現した事によって
多くの人が「ゴキブリ」に抱いている
「汚い」というイメージが
黒真珠に付いてしまうのです。

「黒真珠は汚い」なんて事を
一切、何も話して無いにも関わらず…

だからこそ比喩には
「別のイメージを与えられる」
という効果があるのです。

そのため、比喩を使う文章で
何を目的とするかによって
どんな例えをするかを変えられると
より効果的な比喩となります。

読んだ人をプラス感情にしたいなら
プラスだと感じられるモノで、
マイナス感情にしたいなら
マイナスだと感じられるモノで
比喩が使えるとベストですね

以上が、比喩の5つの効果と使い方です。

ちなみに、比喩には注意点もあるので
次は注意点も解説しますね

比喩の注意点

パッと連想できるか?

比喩は何かに例える表現技法ですが
例えれば何でもいいかと言うと
決してそんな事はありません。

パッと連想できる例えでないとダメです。

思い付く

例えば、先ほど例として挙げた
「5Gはドラえもん」を
「5Gはネギ」にしてしまうと
とたんに意味が分かりませんよね?

でも、ある側面から考えると
「5Gはドラえもん」と
「5Gはネギ」は同じなんですよ

というのも「5Gはドラえもん」は
ドラえもんのように何でもできる、
いわゆる万能感がある事を
表現するための比喩になってますが
「5Gはネギ」であっても
万能感を表現する事ができるので。

なんせ「ネギ」には
どんな料理にも使えるという事で
「万能ネギ」と呼ばれたりしますから。

ここまで説明すれば
「なるほど」と納得できるでしょうが
通常、「ネギ」という言葉だけで
「万能感」を連想できる人は少ないです。

普通は「うまい」や「鍋」、
「白」「辛い」などしか連想できません。

なので、連想しやすい例えじゃないと
効果的な比喩の使い方にはならないんですね

じゃあ、連想しやすい例えなら
何でもいいかと言うと
それもまた違うんですよねぇ

目的にそぐわないイメージを与えないか?

比喩の例としてあげたジョブズ氏の
ペプシコーラを例える、
「このまま一生砂糖水を売り続けたいのか」
ですが、ここの例えは砂糖水でなくても
連想しやすい例えにはできます。

1つ例を挙げるとするなら
「シャンパン」とか。

ペプシコーラもシャンパンも
どちらも炭酸ですから
とても連想しやすいですからね

しかし、だからと言って
「一生砂糖水を売り続けたいのか」を
「一生シャンパンを売り続けたいのか」に
変えてしまうのはダメです。

なぜなら「シャンパン」に対しては
「高級」というイメージがあるため
ペプシをシャンパンで例えてしまうと
「くだらなさ」を感じなくなるからです。

「くだらなさ」を相手に抱かせるのが
この発言の目的となってるのに
その目的を達成する事ができなければ
いくら連想しやすい例えであっても
こんなんじゃダメですよね?

このように連想しやすいだけでなく
目的に沿うような例えにしないと
比喩の使い方としてイマイチなのです。

イマイチ

以上が比喩の注意点となります。

これら注意点を意識して例えを考えれば
効果的な比喩表現となりますので
もし、比喩を使うなら上記内容を
意識してみてくださいね
気を付けてくださいね

今回は比喩の解説でしたが
表現技法は比喩以外にもありますので
ご興味がありましたら
下記のあわせて読みたい記事から
ご覧いただければと思います。

比喩には無い効果が
他の表現技法にはあるので…

それでは、失礼致します。