今回、お話する内容は「省略法」という
表現技法になります。

省略するだけの技法ですが
実は、この省略法でしか得られない、
有用な効果があるんですよ

そこで、この省略法の効果や
実際にどんな場面で使うのか?という
使いどころや意味などについても
ここで詳しく解説します。

なので、省略法について解説した当記事を
ぜひ、ご覧になってくださいね

省略

省略法とは?

冒頭でもお伝えしましたが
省略法はそのまんまの意味で
文の一部を省略する表現技法です。

例えば、「私はハンバーグを食べました」
という文の一部分を削除した、
下の例文が省略法の文となります。

ハンバーグを食べました
私は食べました

ちなみに、以前に解説した
体言止めという表現技法は
省略法の一種になりますね

実際、「私はハンバーグを食べました」
これを体言止めの文にしようとすると
下の文のように助動詞「ました」を
削除する事になりますので。

私はハンバーグを食べ

このように、文の一部を省略するのが
省略法という表現技法になります。

そして、この省略法を使う事で
主に2つの効果を得る事ができます。

省略法の効果について

シンプルにできる

まず、1つ目の省略法の効果は
「シンプルにできる」というものです。

シンプル

先ほどの例文からも分かるように
通常の文を省略法の文にすると
文の一部がなくなりますので
基の文と比べシンプルになりますからね

そして、文をシンプルにできると
人の記憶に残りやすくなります。

まずは、下の文をご覧ください。

私は東京でお肉を食べた。

この文に対し、
省略法を適応して下の文にすると
上の文より「肉を食べた」が
強調されてるように感じるかと思います。

肉を食べた。

当然、強調されてると感じるので
この文が記憶に残りやすくなります。

それに、人というのは
情報が少なければ少ないほど
記憶しやすくなりますからね

実際、マーケティングの世界でも
「ワンメッセージ」と言われており
伝えるメッセージを少なくした方が
効果的になる、と言われてますし。

そのため、文の一部を省略する省略法は
シンプルにできて情報が少なくなるので
記憶に残りやすくなるのです。

想像させられる

また、「想像させられる」という効果も
省略法にはあります。

想像

例えば、「何を?」を省略した、
下のような文にすると、

私は見てしまった。

「何を見てしまったんだろう?」と
思わず想像しちゃいますよね?

コレが、「何を?」を省略せずに
下のような文にしてしまうと
「何を見てしまったんだろう?」なんて
想像したりはしませんからね

私は事故が起きる現場を見てしまった。

このように、省略法を使って、
あえて情報を削る事で
読者に想像させる事ができるのです。

省略法の主な効果としては
ここまで解説した2つになりますが
他にも便利な効果はあります。

文字数を少なくできる

どんな効果かと言うと
「文字数を少なくできる」というものです。

少なくなる

言葉を削るのが省略法ですから
普通の文と比べ必然的に、
文字数は少なくなりますからね

ちなみに、省略法のこの効果は
文字数制限がある所で役立ちます。

一例を挙げると俳句ですね

古池や蛙飛びこむ水の音

松尾芭蕉の有名な俳句であり、
水の音が「何なのか?」について
特に説明されていませんよね?

でも、詳しく説明しようとしても
俳句は五七五と文字数が決まってるので
文字数制限的に不可能ですよね?

こんな感じで文字数制限がある時に
省略法を利用する事よって
制限を回避する事ができます。

以上が、省略法の効果です。

単に、省略するだけの技法ですが
それだけで、シンプルにできて
記憶に残りやすくできたり、
想像させられたりできるので
とても便利な表現技法なんですね

ただ、1つ注意点があります。

省略法は分かりづらくなりやすい

どんな注意点かと言うと
「分かりづらくなりやすい」です。

分からない

なんせ、省略法は文の一部が消えますので。

食べました。

こんな省略法の文を書くと
誰が食べたのか?何を食べたのか?が
文から全く読み取れませんからね

もちろん、省略法を使う事によって
上記3つの効果を得られますが
それと同時に、
「分かりづらくなる」というリスクも
省略法には存在するのです。

なので、ぶっちゃけてしまうと
分かりやすい文を書くなら
省略法って使わない方がいいんですね

でも、どうしてもシンプルにしたい!や
想像させたい!という箇所があり、
省略する意味があるなら、
省略法を使った方がいいですね

単に分かりやすいだけの文章より
省略法をうまく使った文章の方が
面白味が増しますので。

では、どんな場面で省略法を
使った方がいいのか?

次は、この省略法の使いどころについて
いくつか解説したいと思いますね

省略法の使いどころを例文つきで解説

重要な言葉に省略法を使う

1つ目の使いどころとしては
「重要な言葉に使う」ですね

重要

例文を挙げると下の感じです。

今まで、ダイエットに失敗するのは
運動や食事制限ができてなかったから、
それが一般的な認識でしたが
原因はもっと別にあります。
体質。
というのも、体質の良し悪しは
ダイエットと関わりが深いので。

太字の「体質」という文は
本来なら「体質が失敗の原因です」と
書くべきところですが
省略法を使って「体質」にしています。

上の例文の内容としては
「ダイエットに失敗するのは
 体質が原因となっている」
となるため、省略法を使う事で
ダイエットに失敗にする答えとなる体質が
読者の記憶に残りやすくなります。
 
こんな感じで、答えなどの言葉を
省略法でシンプルにする事で
読者に伝わりやすくできるんですね

今回は答えという名詞的な言葉でしたが
他にも、何かしらの行動やフレーズでも
同じような事ができますので
うまく使ってみてくださいね

文の一番初めに省略法を使う

他にも、省略法を
「文の一番初めに使う」のもありですね

最初

例文としてはこんな感じです。

2018年1月20日。
私は初めてビットコインを買った。

「2018年1月20日。」のように
日付以外の部分を省略した文を書く事で
「2018年1月20日に何が起こったんだ?」と
読者に想像させる事ができるので
その後の文に対する期待感を高められます。

上の例文では日付を書きましたが
下の例文のように日付以外でもOKです。

リポビタンA。
疲れを吹っ飛ばす飲み物を飲んだ。
イチロー。
超有名な野球選手になります。
食べる。
人が生きていくには必ず必要な行為です。

ちなみに、

省略法の文を書いて
「どうゆう事なんだろう?」と思わせたら
スグ後にその疑問を解決する内容を
書くようにしてくださいね

いつまでも疑問が解消されないと
読者はストレスを感じちゃうので。

リアルなセリフのために省略法を使う

あと、「リアルなセリフ」にするために
省略法を使うのも効果的ですね

一例を挙げると、
猫を見てカワイイと思った時に
「猫がカワイイです」と書かずに
「猫カワイイ」と書くとか。

というのも、日常的な生活の中で
猫を見かけた時に
「猫がカワイイです」なんて言いませんし、
「猫カワイイ」って言いますよね?

つまり、リアリティーを求めると
「猫がカワイイです」よりも
「猫カワイイ」の方がいいのです。

それに、「猫がカワイイです」だと
人間味が無い機械的なセリフだと感じます。

なので、リアルで人間味のある、
そんなセリフにするためにも
省略法を使った方がいいんですね

ただし、1つ注意点があります。

注意

下の記事でもお伝えしたのですが
文にはイントネーションが無い事です。

例えば下の例文。

面白くなかった

コレは、イントネーションの違いで
単純に面白くなかったのを伝える意味と、
相手に質問する「面白くなかったよね?」の
2つの意味を持ちますよね?

そのため、どちらの意味かを
明確にするためにも
「面白くなかった。」や
「面白くなかった?」のように
書く必要があります。

セリフをリアルにするために
省略法を使うのはいいのですが
誰かと話す会話と違い、
文にはイントネーションがないので
この点は注意してくださいね

まとめ

単に省略するだけの技法である省略法ですが
使う事で下記の効果を得られます。

・シンプルにできる
・想像させられる
・文字数を少なくできる

これらの効果は省略法ならではですので
ぜひ、使いどころを見極めた上で
省略法を使ってみてくださいね

そうする事で、あなたが書く文章は
より面白くなりますので。

それでは、失礼いたします。