倒置法省略法比喩など
世の中には様々な
文章の表現技法が存在します。

その中で、比較的よく使われるのが
「体言止め」という表現技法です。

そんな体言止めですが
あの有名なミロのビーナス像と
同じ効果を発揮します。

欠けているからこその効果が
体言止めにはあるんです。

詳しくはこの先で解説しますので
体言止めを真に理解されたいなら
ぜひ、この先の内容をご覧くださいね

体言止め

体言止めの意味

もしかしたら体言止めの意味を
ご存知でないかもしれませんので
まずは体言止めとは?から
解説していきたと思います。

体言止めとは その名の通り
名詞や代名詞などの「体言」
それで終わる文が体言止めです。

例文を挙げると
動詞「食べました」を名詞化し
最後を「食べ」にした下記の文が
体言止めの文になります。

昨日、味噌ラーメンを食べ。

また、松尾芭蕉が生み出した
有名な俳句である下記のものも
体言止めの文になりますね
(「蝉(せみ)の声」という名詞で
 終わっている文になるので)

しずかさや 岩にしみ入る 蝉の声

他にも、代名詞「あなた」を
文の最後に持ってきた下記も
体言止めの文です。

私の心を奪い去った あなた

このように名詞(代名詞)で終わる文が
体言止めになるのです。

では、そんな体言止めを使うと
どんな効果があるのでしょうか?

「欠けた文」それが体言止めの文

まず、そもそもの話として
自分たちが普段から使っている
日本語の文と言うのは通常
「です・ます」や「だ・である」など
文の最後には何かしらの語尾がつきます。

(下の例文のように)

私が食べたのです
私が食べます
私が食べました
私が食べたのである

しかし、先ほどお伝えしたように
体言止めの文にする場合
名詞などの体言で終わるので
下記のようになってしまいます。

私が食べ
※ 「食べ」が名詞になるため

つまり、

体言止めの文って通常の文と比べ
「欠けた文」になるんですね

欠ける

普通はあるはずの語尾が
体言止めにはありませんから。

疑問
文として欠けているなら
体言止めは悪い文なの?

「欠けた文」と言ったので
もしかしたら こんな事を
思われたかもしれませんね

確かに体言止めは
文として不完全となりますので
そう言えなくもないですが
欠けた事による良い効果が
体言止めにはあるんですよ

体言止めがもたらす良い効果

文字数を少なくできる

まず1つ目の効果は
「文字数を少なくできる」です。

現に、先ほど 体言止めの例として挙げた
「岩にしみ入る蝉の声」を
体言止めでなく普通の文にしちゃうと、

岩にしみ入るのは蝉の声になります。

このように文字数が増えますからね

そのため、文字数制限があるところだと
「欠ける」という体言止めの効果が有効です。

想像をかき立てられる

また、文が欠けた事で
「想像をかき立てられる」という効果も
体言止めにはありますね

欠けている、つまりは「無い」のが
人の想像をかき立てるんです。

しかも、単なる想像ではなく良い想像を。

イメージ的に言うなら
腕が無いミロのビーナス像ですかね

ミロのビーナス

体言止めと同じように
一部が欠けて無くなる事で
想像力をかき立てられると
専門家に言われてますので。

ミロのビーナスでピーンと来ないなら
マスクをした女性や男性でも構いません。

女性にしろ、男性にしろ、
マスクをしている人って
なんか妙に可愛く見えたり、
かっこよく見えたりしますよね?

でも、マスクをとってみると
実際はそうでもなかったり…

このように何かしらが無いと
人ってその無い部分を
都合の良いように想像するので
文が欠けている体言止めにも
同じ効果があるんですね

想像

稚拙な文章になるのを防ぐ

あと、「稚拙な文章になるのを防ぐ」のも
体言止めの効果となります。

例えば、下の文の末尾は全て
「~ます」にしており、
この文を読んでみると
同じ文末が続いてしまうので
幼稚で稚拙な文章だと感じちゃいます。

良い文章を書くには
いくつか方法があります。
その一つが体言止めになります。
体言止めを使うと文章に
変化を付けられます。
その変化がリズムの良さを生みます。
リズムの良さは面白い文章に
欠かせないものになります。
他にも擬人法という技法もあります。
是非、体言止めなどを
使っていただければと思います。

でも、下の文章のように
「~ます」の文だけでなく
体言止めの文を混ぜる事によって
文の末尾に変化が出るので
稚拙だと感じないようになるんです。

良い文章を書くには
いくつか方法があります。
その一つが体言止め。
体言止めを使うと文章に
変化を付けられます。
その変化がリズムの良さを生むみます。
リズムの良さは面白い文章に
欠かせないもの。

他にも擬人法という技法もあります。
是非、体言止めなどを
使っていただければと思います。

このように、末尾を変化させる体言止めは
稚拙になるのを防ぐ事ができるんですね

以上が、体言止めが持つ
3つの有用な効果となります。

欠けている不完全な文、
それが体言止めの文ですが
「欠ける」という事が
上記のように良い効果を
もたらしたりするんですね

とはいえ、

良い効果だけではなく
体言止めには悪い効果もあります。

ビジネスで体言止めはNG

先ほどもお伝えしたように
体言止めの文は欠けた文になるので
一部の情報が欠落している
不確かな文と言うこともできます。

例えば、「増加」という名詞を使った
下記の体言止めの文。

仕事量が増加

この体言止めの文って
下記のいずれの意味にも
捉える事ができちゃいますよね?

・以前は増加していたという
「仕事量が増加してた」

・継続して増加し続けいている
「仕事量が増加している」

・将来的に増加するであろう
「仕事量が増加する」

こんな感じで体言止めって語尾がないから
どうしても不確かな文になるんですね

そして、「不確か」が凄く嫌われるのが
「ビジネスシーン」です。

ビジネス

ビジネスでは正確さが大切ですからね

ですので、ビジネスなどの
正確さが重要になってくる場面では
体言止めを使うのは
絶対に辞めた方がいいです。

なので、体言止めを活かすなら
正確さが重要ではなくて
文字数や想像力が重要な場面で
活用されるのがいいかと思いますね

具体的な活用の例については
次の章で解説していきます。

体言止めの活用例

文字数制限がある場面で効果的

まずは、下の画像をご覧ください。

体言止めを使いきれてない記事タイトル

この画像はGoogleで検索した時に
検索にヒットした ある記事なんですが
一部、文字が「…」となってしまい、
見切れているのが分かるかと思います。

ちなみに、この記事のタイトルは下記です。

映画レビューブログの書き方!感想の書き方と映画の観方を解説します

では、どうして見切れるかと言うと
検索結果に表示できるタイトルの文字数って
30文字前後という制限あるので
タイトルが33文字の上の記事では
どうしても見切れちゃうんですね

でも、体言止めを使えば
タイトルが見切れたりしません。

なんせ、体言止めを使って、

映画レビューブログの書き方!感想の書き方と映画の観方

こんな感じに直せば26文字にできるので。

しかも、タイトルの文字数を減らせば
別ワードを追加する事も可能となります。

例えば、

映画レビューブログの書き方!効果的な感想の書き方と映画の観方

にして、ただの「感想の書き方」ではなく
「効果的な感想の書き方」とする事で
タイトルの見栄えを良くしたり。

他にも、

映画レビューブログの書き方!
感想の書き方と映画の観方および見方

こんな記事タイトルにすれば
「見方」というキーワードを追加できるので
そのキーワードからの検索流入が
狙えるようにもなります。

また、ブログのタイトルだけでなく
俳句や歌詞なんかも
文字数の制限がありますので
こういった場面で体言止めは
非常に効果的な表現技法ですね

感動を与えられる

他にも、感動させたいところでも
体言止めは良い効果を発揮します。

感動

例えば、富士の絶景を見て
とても感動したとしましょう。

それを文章で伝えるために
体言止めを使って
こんな文を書きました。

そこに見えたのは富士の絶景です。

正直、こんな文では
別に感動なんかしませんよね?

では、これならどうですか?

そこに見えたのは富士の絶景

先ほど例文から「です」を消して
体言止めの文にしただけですが
なんか ちょっと感動しませんか?

最初の例文は「~です」となってるので
富士の絶景を見た事を
単に説明されただけのように感じるので
「富士の絶景を見たんだ~」
という感じになります。

でも、「です」を消した体言止めの方は
説明されている感じにならなく
「富士の絶景ってどんなんだろう?
 こんな感じの風景なのかな?
 それともこんな感じかな?」
と、想像を促す事が可能です。

そして、その想像の中で
素晴らしい風景が想像されれば
その風景で人は感動します。

なので、想像を促す体言止めの効果が
感動を生み出す事ができるんですね

まぁ、感動するかどうかは
体言止めの文の内容や
読み手の想像力で変わるので
文字数制限の活用と比べれば
確実性はありませんが
それでも、間違いなく効果はあるので
試してみてくださいね

キャッチコピーで活きる

あと、キャッチコピーでも
体言止めは効果がありますね

なんせ、想像される体言止めの効果は
記憶に残りやすくしてくれるので。

事実、記憶力日本一の池田義博さんも
記憶は想像力がポイントだと言ってますから
想像って記憶に効果があるんです。

記憶するのは想像がポイント
引用元:はたラボ

それに、やってみれば分かりますが
テストなどで歴史上の人物名を覚える時に、
単に、人物名だけを覚えるよりも
「この人はどんな人物なのか?」を
想像しながら覚えた方が断然、
記憶に残りやすくなります。

少なくても、自分はそうでした。

そのため、キャッチコピーなどのように
なるべく人の記憶に残したいもので
体言止めが効果を発揮するのです。

記憶

以上が、体言止めの活用例です。

文字制限がある中で有用だったり、
想像をかき立てる事によって
読者の記憶に残りやすくできるので
ぜひ、体言止めを使ってみてくださいね

あー、それと

体言止めの句点について
句点を打つか打たないかで
迷われる方がもしかしたら
いらっしゃるかもしれないので
次は体言止めの句点について
解説したいと思います。

体言止めの句点について

基本は句点を打っても打たなくてもいい

体言止めに句点を打つかどうかですが
正直、どちらでも構いません。

実際、句点を打った例と打ってない例、
両方を用意しましたが
あまり違いはありませんから。

ジュージューと音を立てる肉。
私の目の前にそんな肉がある。
ジュージューと音を立てる肉
私の目の前にそんな肉がある。

まぁ、個人的には体言止めの文にも
句点は打つべきだと思ってます。
(少なくとも自分はそうしてます)

というのも、体言止めの文って
不確かな文となっているため
どうも、文として完結してない、
そうゆう風に感じてしまうので。

そのため、読者に対して
「ここで1文が終わりますよー」と
明確に分かってもらうために
体言止めの文にも句点を打ってます。

でも、何かしらの理由があって
「体言止めには句点を打たない方がいい」
と、思われるのであれば
それに従って構いません。

要は、あなたの好みで
決めちゃっていいです。

だって、体言止めの文に
句点があってもなくても、
別段、大した違いにならないので。

ただし、例外はありますので
その点は気を付けてください。

句点に関する例外

まず、下記のように改行などで
文の区切りを行わなずに
文を連続して書く場合には
体言止めの文であっても必ず
句点を打つべきです。

ジュージューと音を立てる肉。私の目の前にそんな肉がある。

なんせ、句点を打たないと下記のように
どこで文が区切られるのかが
全く分からなくなりますからね

ジュージューと音を立てる肉私の目の前にそんな肉がある。

一方、下記のように
箇条書きにする場合には
句点は打たない方がいいですね

・コストの削減
・労働時間の改善
・意識の改革

というのも、下記のように句点を打つと
文として読みにくくなるので。

・コストの削減。
・労働時間の改善。
・意識の改革。

そもそも、箇条書きというのは
文としては下記になります。

コストの削減や、労働時間の改善や、
意識の改革

要するに、1つの繋がった文として
捉える事ができるのです。

なのに、箇条書きに句点を付けると
文としては下記のようになってしまい
読みづらい文となってしまいます。

コストの削減や。労働時間の改善や。
意識の改革。

なので、箇条書きにおいては
句点は打たない方がいいんですね

以上が、体言止めの句点についてです。

一部、例外はありますが
基本的にはあなたの好みで
体言止めの句点をどうするかを
決めていただければと思います。

最後に、体言止めを使う際の
注意点がありますので
それについても解説しておきますね

体言止めの注意点

具体的に、どんな注意かというと
「体言止めは多用しない」になります。

バツ

まずは、下記の文章をご覧ください。

良い文章を書くためのいくつかの方法。
その一つが体言止め。
文章に変化を付けられる体言止め。
リズムの良さを生みだす変化。
面白い文章に欠かせないリズムの良さ。
擬人法という他にもある技法。
是非とも使って欲しい体言止め。

いかがでしょう?

何を伝えたいのかよく分からず
気持ち悪く感じるのではないでしょうか?

もともと、体言止めの文は
情報が欠落してる不確かな文ですので
それを続けてしまう事によって
こんな事が起きちゃうんです。

だからこそ、体言止めの多用は
絶対に辞めてくださいね

気持ち悪い文章なんか書いてたら
読者に嫌われてしまいますから。

体言止めは隠し味的に使いましょう

ここまでお伝えしてきたように
体言止めを使う事によって
下記の効果を得る事ができます。

・文字数を少なくできる
・想像をかき立てられる
・稚拙な文章になるのを防ぐ

ただし、体言止めを多用すると
気持ち悪い文章になっちゃうので
その点は注意が必要です。

なので、隠し味的な感じで
体言止めを使う事を意識していただき、
より良い文章にしてくださいね

それでは、失礼いたします。